退職金−退職金制度が抱える大きな問題点(準備方法)−
準備方法上の問題点はどうでしょう?今までの退職金原資準備方法の代表は、退職給
与引当金と適格退職年金ですが、どちらも大きな問題を抱えています。
@退職給与引当金
すでに制度が廃止され、中小企業でも、あと8年間で償却(益出し)をしなくてはな
らないのはご承知の通りです。いままで退職給与引当金でしっかり積立てていれば良い
のですが、そのほとんどは残っていません。ない利益を計上するのですから、企業利益
(帳簿上)はどんどん圧迫されます。
A適格退職年金
適格退職年金(通称、適年)では、制度が廃止になること以上に、退職給付債務=積
立不足の増大が一番の問題です。
仮に40年間で1,000万円積立てるつもりで、月々6,000円を積立てていたとし
ます。このときの根拠となる計算利率は、年利5.5%です。しかし、現在の保証利率は
0.75%・・・。
上の図のように多くの積立不足が発生しています。先ほど計算利率と保証利率という
言葉が出てきましたが、保険会社が責任を負うのはあくまでも保証利率で、計算利率と
の差額はそれぞれの企業が負担しなくてはならないのです。
また、多くの企業では適格年金の割合を5〜7割程度に留めているところが多いため、
本当の積立不足は適格年金の積立不足+社内積立分であって、想像以上に膨れているこ
とが少なくありません。
この積立不足は、先送りしても良くなることは考えられません。1日も早く手を打たな
いと、冗談でなく退職金倒産が起こりえるのです。
⇒総額人件費削減の方法
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