労働基監督署が行う臨検監督・是正勧告の解説ページです。
その際、最も重視されるサービス残業についても解説します。

竹林社会保険労務士事務所/広島市安芸区

竹林社会保険労務士事務所/広島市安芸区のバナー

Main Menu

 
■ 解雇トラブル急増中
■ 労働問題Q&A
 

Sub Menu
■■
 
 
中央行政研究レポート1

 ワンポイントチェック
労働基準監督官が考えるサービス残業の形態。
全労働省労働組合が監督官におこなったアンケートでは、サービス残業の形態でよくあると思うものとして、@労働時間を把握していない/73.3% A自己申告制の不適切な運用/72.7% B時間外労働手当の定額制/70.3% C管理監督者の範囲の不適切な運用/60.9% D端数時間(分単位)の切捨て/30.2% E事業場外みなし労働時間性の不適切な運用/19.0% F仮眠時間・手待ち時間の不適切な運用時間/13.0% G年俸制の不適切な運用/11.5% H裁量労働制の不適切な運用/9.3%となっています。
 

厚労省のサービス残業対策と企業の安全配慮義務


 厚生労働省では長時間労働が過労死・過労自殺を起こす大きな原因と考えており、そ
の長時間労働はサービス残業によるところが大きいと見ています。そのため臨検を強化
し、労働時間管理やサービス残業の撲滅に対してかなり力を入れているようです。是正
勧告にしても以前は一つの労働基準監督署はその管内の事業場に対して勧告を行うこと
が多かったように思うのですが、最近では所轄を飛び越して該当企業の全事業場に対し
て勧告を行うことが増えているように思います。また、悪質な事件については実際に逮
捕者が出るようにもなってきています。


 ところで、厚生労働省は「労働時間の適正な把握のために使用者が構ずべき措置に関
する基準」「賃金不払残業の解消を図るために構ずべき措置に関する指針」などを出し
、サービス残業の撲滅のための政策を強化しています。(以下に広島労働局のホームペ
ージにリンクを張っていますので、ご確認ください。)
「労働時間の適正な把握のために使用者が構ずべき措置に関する基準」

「賃金不払残業の解消を図るために構ずべき措置に関する指針」

「労働時間の適正な・・・」によると、労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべ
き措置として、始業・終業時刻の確認及び記録は原則として@使用者の現認Aタイムカ
ードなど客観的な記録の利用を挙げています。また、B自己申告制により始業・就業時
刻の記録を行うときは

(ア)自己申告制を導入する前に、その対象となる労働者に対して、労働時間の実態を
   正しく記録し、適正に自己申告を行うことなどについて十分な説明を行うこと。

(イ)自己申告により把握した労働時間が実際の労働時間と合致しているか否かについ
   て、必要に応じて実態調査を実施すること。

(ウ)労働者の労働時間の適正な申告を阻害する目的で時間外労働時間数の上限を設定
   するなどの措置を講じないこと。

などを求めています。なお、労働時間の記録に関する書類は、3年間保存が必要です。
(労基法第109条)



 今後はこれらの指針に基づいて指導が行われるものと思われます。先日、広島労働局
管内のいくつかの企業に対して「労働時間管理自主点検表」が送付されました。自主点
検を元に改善を図る狙いと思われますが、期日を指定して返送を求められていましたの
で、こういったものに対して安易に正直な回答をすると臨検の対象にされかねません。
この自主点検表は、リンク先でPDFファイルをご確認いただくとわかりますが、点検
欄が白地とグレーに分かれています。グレーのところに不用意にチェックを入れて返送
すると、御社に監督官がやってくるかもしれませんので、ご注意ください。なお、この
点検表を元に労働時間管理の改善を行うことは本来の趣旨と一致することですし、臨検
の際はこの項目が狙われるということでもあるわけですから、本当の意味で自主的に点
検されることをお勧めします。


 また、企業には労働者を使用するに当たり「安全配慮義務」があるとされています。
「使用者は、労働者が労務提供のため設置する場所、設備もしくは器具などを使用し又
は使用者の指示のもとに労務を提供する過程において、労働者の生命及び身体を危険か
ら保護するよう配慮する義務」 川義事件・最高裁第3小(昭和59.4.10)
企業は労働者を使用することによって利益をあげているのだから、その労働者の生命や
身体を守る義務があるということです。この安全配慮義務は施設・器具・備品といった
ハード面に限らず、労働時間などの労働環境や、労働者の健康管理、健康障害がある者
に対する作業転換や勤務軽減などの措置なども入ります。ですから、一度労働災害(と
くに過労死や過労自殺など)が起きると、企業には「安全配慮義務」を怠ったとして、
労災補償とは別に民事における損害賠償責任を求められることがあります。この民事訴
訟は労災認定とは別に起こすことができますし、労災では補償されない慰謝料や逸失利
益なども対象とされます。そのため、過労自殺では賠償額が1億円を超えることも珍し
くありません。長時間労働が過労死・過労自殺の大きな要因の一つであることは間違い
なく、サービス残業がその温床であることも事実です。
以降のページでサービス残業を放置しておくとどのようなことになるのか、少々極端な
例ですが、新聞報道や判例を元に解説いたします。
⇒放置すると怖いサービス残業1

労働時間管理が一番ずさんな業界はどこでしょうか?厚労省の報告ではワースト1は小売業、次に道路運送業、食品製造業の順になっています。言い方を変えるとこの業界に属する企業は狙われやすいとも言えるかもしれませんので特に注意してください。

トップ 業務案内 就業規則 賃金 退職金 是正勧告 助成金 労働問題Q&A 解雇トラブル急増中
お問い合せ リンク サイトマップ 残業代込み賃金設計ソフト 竹林社会保険労務士事務所便り(Blog)


SEO アクセスアップ