労働時間Q&A−1ヶ月単位の変形労働時間制−
Q 当社は医療事務の処理を行っていますが、レセプトの締めの関係でどうしても月初
が忙しくなり、いつも時間外労働が発生しています。逆にそれ以外のときは人手も十分
足りており時間外労働はほとんどありません。このようなときに1ヶ月単位の変形労働
時間制を採用すると無駄な残業時間を減らすことができると伺いましたが、どう違うの
か教えてください。
A 1ヶ月単位の変形労働時間制を採用すれば、1ヶ月あたりの週平均所定労働時間が
40時間を超えなければ良いとされますので、御社のように月の間に繁閑の差が大きな会
社では有効です。
たとえば1日の勤務時間が8時間の会社で考えてみますが、固定労働時間制の場合、週
40時間労働を達成しようとすると必ず2日の休日が必要になります。
○8時間×5日=40時間
そのため、1日でも休日に出勤を命じたときには休日労働割増もしくは時間外労働割増
を支払わなければなりません。
×8時間×6日=48時間
しかし、1ヶ月単位の変形労働時間制では月の週平均所定労働時間が40時間以内であれ
ばよいわけですから、最初の1週間を休日なしにして別の週で調整すれば、割増賃金を
支払う必要がありません。
○第1週=8時間×7日=56時間 ○第2週=8時間×5日=40時間
○第3週=8時間×4日=32時間 ○第4週=8時間×4日=32時間
○第5週=8時間×1日=8時間 合計168時間
※1ヶ月単位の変形労働時間制を採用したときは、1日の労働時間が8時間固定の場合
2月を除いて全ての月で休日を9日以上設定しなくてはなりません。
また、1ヶ月単位の変形労働時間制には1日あたりの労働時間が8時間までといった規
制がありませんから、仮に月初毎日2時間時間外労働が必要であれば、10時間の所定労
働時間を設定することも可能です。その分を別の週に所定労働時間が6時間や7時間の
日を設定して調整すればよいわけです。このように無駄な時間外労働を削減することで
コストダウンも図れますので、ぜひご検討ください。
⇒労働時間に関する用語
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